主な活動

2018年第4回定例会に提出した文書質問


2018年第4回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

【文書質問】

  • 池川友一  (障害者への差別解消と理解促進について)
  • 原田あきら (一 上野公園グランドデザインについて、二 シャンシャンの返還について、三 モノレールの改修・改築について)
  • 藤田りょうこ (都営浅草線西馬込駅周辺の自転車駐輪対策について)
  • 原のり子 (一 障害者の入院に際しての有料個室の扱いについて、二 島しょにおける救急ヘリコプターの運行等について、三 国の「農業次世代人材投資事業」について)
  • とや英津子 ( 城北中央公園調節池について)
  • 河野ゆりえ (「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想素案」について)
  • 米倉春奈 (日本語指導が必要な生徒への支援について)
  • 里吉ゆみ (大規模事業所におけるCO2排出量の総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)について)
  • とくとめ道信 (「都営母子アパート」と併設になっている区立保育園について)
  • 和泉なおみ (公有地の拡大について)

2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 池川友一

質問事項
一 障害者への差別解消と理解促進について

一 障害者への差別解消と理解促進について

 東京都のパラスポーツを応援する人を増やすプロジェクト「TEAM BEYOND」の一環として行われた「BEYOND FES 丸の内」で掲示されたポスターの中に、「障がいは言い訳にすぎない。負けたら、自分が弱いだけ。」という言葉があったことに、多くの批判の声が寄せられました。
 東京都は、「頂戴したお声を重く受け止め、東京駅構内の当該ポスターを撤去し、「TEAM BEYOND」ウェブサイト内の当該ポスター画像を削除いたしました」と発表しましたが、今後にどういかしていくのかが重要です。

Q1 こうした事態が発生した原因をどのように考えていますか。決定過程についても明らかにしてください。

Q2 また、こうした事態をくり返さないためにどのような対策を行うのでしょうか。

 「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」の前文には、「今なお、障害及び障害者への誤解や偏見その他理解の不足により、障害者は、日常生活や社会生活の様々な場面において、障害を理由とする不当な差別的取扱いを受け、自立や社会参加が妨げられている」「これら障害者が日常生活や社会生活で受ける差別や制限は、心身の機能の障害のみならず、社会における様々な障壁によって作り出されているのであって、障壁を取り除くことは社会全体の責任である」と書かれており、障害者の理解促進と差別解消のためには社会的障壁を取り除くことが必要だとしています。
 そして、「障害者の権利に関する条約、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律等の理念の下、東京に暮らし、東京を訪れる全ての人が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し、この条例を制定する」と謳っています。

Q3 「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」について理解を深めるべきだが、都庁内においてどのような取り組みをしていくのか伺います。

池川友一議員の文書質問に対する答弁書

一 障害者への差別解消と理解促進について

A1 「BEYOND FES 丸の内」では、障害者スポーツの選手や競技を覚えていただき、競技会場での観戦・応援を促進するため、23競技の選手について、競技中の写真とともに競技に向き合う強い気持ちを添えたポスターを、競技団体や選手の御協力の下で制作し、山手線内・東京駅構内等に掲示しました。
 御質問の言葉は、選手自身が競技に向き合う姿勢を表したものであり、決して他の方に向けられたものではありませんが、都のデザイン及び掲示方法が不適切であったため、不快な思いをされる方が生じる事態となりました。
 頂戴した声を重く受け止め、東京駅構内の当該ポスターを撤去し、「TEAM BEYOND」ウェブサイト内の当該ポスター画像を削除しました。あわせて、経緯、対応及び御不快な思いをされた方々に対するお詫(わ)びをウェブサイトに掲載しました。

A2 展示物等の趣旨・目的が適切に伝わるよう、より一層慎重な制作・掲示を心掛け、多くの方に障害者スポーツや選手の魅力をお伝えしていくよう努めていきます。

A3 「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」第3条では、障害を理由とする差別の解消は、障害及び障害者に対する誤解、偏見その他理解不足の解消が重要であり、障害、障害者及び障害の社会モデルに関する理解を深めることを基本として推進することと規定しています。
 都は、これまで、理解すべき障害特性や配慮すべき事項をまとめたハンドブックを作成し、職員が障害のある人に適切に対応できるよう、都庁内への周知を図っており、平成30年10月の条例の施行に合わせて、このハンドブックを改訂し、あらためて都庁内に周知しました。
 また、障害者差別解消に向け、法令等の正確な理解促進などのため、全職員を対象としてe−ラーニング研修を行うとともに、職員が知っておくべき情報をメールで提供するほか、講演会等も開催しており、今後ともこうした取組を通じて、都庁内への普及啓発を図っていきます。

以 上


2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 原田あきら

質問事項
一 上野公園グランドデザインについて
二 シャンシャンの返還について
三 モノレールの改修・改築について

一 上野公園グランドデザインについて

 上野公園グランドデザインについてお聞きします。
 上野公園は2008年「上野公園グランドデザイン検討会報告書」に基づいて、『日本の顔となる「文化の森」の創造』と題して様々な改修改築、解体、軸道の整備などが進められてきました。しかし、その検討過程においては、必ずしも住民や利用者の幅広い意見が取り入れられたとは言えず、西洋美術館の景観を壊しかねない巨大ロータリーへの懸念、巨木を含む数百本にも及んだ樹木の伐採など問題を指摘する声も高まっています。
 策定から10年目を迎えようとしているグランドデザインですが、当時示された工事等はおおよそ完了したとも言われています。そこでお聞きします。

Q1 上野公園グランドデザインは10年目を迎えますが、今後あらたな方針の策定は検討されているのですか。
 そのような折、文化庁が主導する形で「世界に誇り得る日本の文化力を生かし、多彩な文化プログラムの展開を図ることによって、我が国が世界の文化交流のハブ(拠点)となる飛躍を目指す」と非常に大きな宣言とともに、上野『文化の杜』新構想推進会議が設置されました。「今後、上野地区において3000万人の集客を可能とするために必要なハード・ソフト両面にわたる整備方策について検討することを目的」とし、平成27年7月「上野『文化の杜』新構想 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会 日本の顔を世界に 」を発表しています。ここには東京都も参加をしていますが、その後の活動が見えてきません。そこでお聞きします。

Q2 「文化の杜」新構想にかかわって東京都は文化庁や推進会議、会議の実行委員会等とこの間どのようなやり取りをおこなってきたのですか。

二 シャンシャンの返還について

 上野動物園、ジャイアントパンダのシャンシャンが日本中の人気者となっています。しかし、シャンシャンは中国野生動物保護協会と東京都とのジャイアントパンダ保護研究実施の協定書により、来年度で中国に返すこととなっています。種の保存、研究などシャンシャンが「帰国」する相当の理由があるのはわかります。しかし、現在東京都上野動物園にシャンシャンがいてくれることはその人気を通して、単にかわいらしいというだけでなく、世界には様々な動物がいること、生物多様性を守る上で国際的な自然保護活動がいかに大事なことかを学ぶ、重要な機会の提供となっています。親であるシンシン、リーリー、そしてシャンシャンの親子がそろって暮らす姿は、都民に安らぎを与えており、家族そろっての返還期限の延長を求めることはできないのか、都民の関心は非常に高まっています。そこでお聞きします。

Q1 中国野生動物保護協会との協定書に基づく協議において、現在、都としてはどのような姿勢、方針で臨むのですか。シャンシャンやシンシン、リーリーの返還については、以上の観点から返還期限の延期について協議をすべきと考えるがいかがですか、お答えください。

三 モノレールの改修・改築について

 上野動物園にはモノレールがあります。これは全国初、世界2例目という国内最古のモノレールであり、片腕懸垂式という日本で唯一の型です。祝日や夏休みなどは30分待ちなど満員となり、乗客数はなんと年間100万人を超え、運行経費は運賃でほとんど回収できるほどの人気です。
 しかしながら、このモノレールは2001年製で更新時期を迎えています。これまでは宝くじ事業から車両建設費の満額(2両4億円)ほどを受け取ってきましたが、事業仕分けによってこの資金の公共事業への分配がなくなっている状況です。車両とともに橋脚の耐震化など大掛かりな工事も必要性が増していると聞きます。そこでお聞きします。

Q1 上野動物園のモノレールの老朽化対策にかかわる検討が建設局内で行われているのか、現在の検討状況、および今後どのように検討を進めるのか、お答えください。

Q2 歴史的にも、アトラクションとしても上野動物園の欠かせない一部となっているといって過言ではないモノレールについては、国内唯一となる片腕懸垂式を維持し、存続すべきと考えますがいかがですか。

原田あきら議員の文書質問に対する答弁書

一 上野公園グランドデザインについて

A1 上野公園グランドデザインを踏まえ、平成21年9月に上野恩賜公園再生基本計画を策定しました。
 この再生基本計画に基づき、現在、公園の再整備を進めているところです。

A2 平成25年12月に上野地区の活性化を目的に、文化施設や民間企業、行政機関で構成される上野「文化の杜」新構想推進会議が設置され、平成27年7月に上野「文化の杜」新構想が発表されました。
 この構想の実現に向け、平成27年9月、博物館、美術館、音楽ホールや動物園等の関係機関により、上野「文化の杜」新構想実行委員会が設立されました。
 都は、文化庁とともに実行委員会のオブザーバーとして、必要な助言、調整等を行っています。
 また、実行委員会の下、上野公園周辺を舞台に、「文化の杜」として各機関・団体が相互に連携・協力して実施する、文化芸術発信力を高める活動等に対して、財政支援を行っています

二 シャンシャンの返還について

A シャンシャンの返還に関して都民から様々な意見が寄せられていることは十分に認識しています。
 また、返還時期など協定に関する中国野生動物保護協会との協議については、適宜適切に対応していきます。

三 モノレールの改修・改築について

A1 これまで、上野動物園モノレールの安全運行のため、必要な対策に取り組んできました。
 具体的には、平成12年度にモノレール橋脚の耐震補強工事を行い、平成22年度からは、桁の塗装工事を順次実施してきました。
 一方、車両については、定期的に検査及び修繕を行ってきましたが、経年劣化が顕著に進んでいることから、平成31年10月末をもって運行休止とすることといたしました。
 今後のモノレールの在り方については、都民等の御意見を伺いながら、検討していきます。

A2 上野動物園のモノレールについては、多くの方に御利用いただいている一方、国内唯一の片腕懸垂式のモノレールであり、車両メーカーの受注体制や、設備機器の更新など、様々な課題もあります。
 今後のモノレールの在り方については、都民等の御意見を伺いながら、検討していきます。

以 上


平成30年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 藤田りょうこ

質問事項
一 都営浅草線西馬込駅周辺の自転車駐輪対策について

一 都営浅草線西馬込駅周辺の自転車駐輪対策について

 大田区内にある都営浅草線の西馬込駅前自転車駐車場において、利用者が増加し、平日の朝9時には満杯となり、自転車が駐車できない状態が多々あります。駅近隣の駐輪場は馬込特別出張所が所管しているこの1ヶ所のみで、収容台数は460台ですが、現在はこうした状況を鑑み、一時利用者の駐車場所として管理室わきのスペースに15台分、ライフコミュニティ利用者用を借用した30人分を加えて、現在505台の収容台数となっています。
 現在大田区では駐輪場の建設に向けて用地確保の検討を重ねてきていますが、土地取得にはいたっていません。このため、駅周辺では平日で40−50台前後の放置自転車が確認されています。西馬込駅は国道1号線沿にあり、歩道は人と自転車がすれ違うのも接触しそうなほど狭い幅であるため、放置自転車があることで通行の妨げになるばかりか、危険な状況となっています。

Q1 東京都交通局において、現在の西馬込駅周辺の自転車駐輪状況について、現状を把握されていますか?

 ライフコミュニティ西馬込の駐輪場は、260台が定期利用となっていて、その抽選を毎年行っています。今年の抽選倍率は3.53倍でした。単純計算で、この駐輪場を利用したい区民は918人です。駐輪場が不足している状況は、この数字から見ても明らかです。大田区は土地確保と同時に、道路わきなどで駐輪場の確保を警視庁にも相談していますが、設置が許可できるところはないとのことでした。
 大田区は、鉄道・バス網が発達していますが、鉄道駅から500メートル以遠で、かつバス停からも300メートル離れている地域、いわゆる交通不便地域があります。
 西馬込駅は、この交通不便地域にはさまれており、さらにその地域が広範であることから、近隣住民のみならず、遠方からも駅利用のために自転車を利用する区民が多くいることが想定されます。また、西馬込駅周辺は近年マンションの新規建設がすすみ、西馬込駅利用者は平成26年度から平成29年度までの4年間で4,371人増加しています。

Q2 平成26年度から29年度の間に、大田区から西馬込駅周辺の駐輪場整備に対する協力を求められたことはありますか?また、これまで大田区に対して、駐輪場整備のために土地の貸付などを行ったことはありますか?
 駅を利用する人では、働く子育て世帯が増加していることが保育園増設計画でもわかります。西馬込駅周辺では8園の認可保育園、定員482人分の増設・計画が進んでいます。今後も、保育園への送り迎えを行う駅利用者が増加することが見込まれており、これまでも子ども用の座席を設置した自転車が増えていましたが、今後もいっそう特殊な自転車が停められる駐輪場の整備が必要です。

Q3 こうした中、大田区は西馬込駅周辺で民有地の取得を試みましたが、決定には至りませんでした。地元区の駐輪場用地確保のために、交通局にも出来る限りの協力を求めますが、いかがですか?

Q4 西馬込駅周辺の駐輪場用地確保が地元区では非常に困難となっている実態から、東京都交通局として、大田区に対し馬込車両基地の土地の貸付を行うことも有効と考えますが、現在基地がどのように利用されているのか、伺います。

Q5 自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律では、鉄道事業者は、駐輪場の設置に積極的に協力をしなければならないとされています。東京都は、都営地下鉄の運営者として、駐輪場の整備に対する責任をどう認識し、どう取り組んでいくのですか?

藤田りょうこ議員の文書質問に対する答弁書

一 都営浅草線西馬込駅周辺の自転車駐輪対策について

A1 都営浅草線西馬込駅周辺では自転車駐車場が不足していると、地元区から伺っています。

A2 平成26年度から平成29年度までの間において、大田区から西馬込駅周辺の駐輪場整備に対する協力を求められたことはありません。
 なお、馬込駅A2及びA3出入口に隣接する局有地について、区に駐輪場としての使用を許可していましたが、エレベーター新設などに必要となったため、平成20年3月までに返還を受けました。

A3 都では、これまでも、馬込駅出入口付近の局有地を使用許可するなど、駐輪場の整備に協力してきました。
 今後とも、可能な限り協力していきます。

A4 馬込車両基地では、浅草線のほか大江戸線車両の整備や保線作業を行う拠点などとして敷地を利用しています。

A5 都では、関係法令に基づき、地元区が行う駐輪場整備のために、駅出入口付近の局有地の貸付けなどを行っており、今後とも、これまでと同様、可能な限り協力していきます。

以 上


2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 原のり子

質問事項
一 障害者の入院に際しての有料個室の扱いについて
二 島しょにおける救急ヘリコプターの運行等について
三 国の「農業次世代人材投資事業」について

一 障害者の入院に際しての有料個室の扱いについて

 知的障害のある方が入院する際に、個室へ入るように促され、多額の差額ベッド料金の負担に苦しんでいるケースがみられます。「希望したわけではないのに、個室に入るよう言われ、差額ベッド料金の負担が大変だった」「個室に入ることを拒否したら、入院させてもらえないのではないかと思い、断れなかった」「本来付き添いは必要ないうえ、個室に入ることにもなったのに、差額ベッド代は払い、親の付き添いまでしなければならなかった」「障害者を受け入れてくれる病院はあまりないので、我慢するしかない」「騒ぐとまわりに迷惑をかけるから個室へ、という場合、障害者本人の自己責任ということになるのか」などたくさんの声があります。障害者への合理的配慮という観点から、改善が必要ではないかと考えます。
 2018年3月5日、厚生労働省は、病院の特別療養環境室について、良い環境を求め、自ら選んで入るものであることや、患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならないことを明記した通知(保医発0305第6号)を新たに出しました。特別療養環境室とは、1部屋4床以下で、1人あたりの面積が6.4平方メートル以上で、病床のプライバシーを確保する設備がある、とされています。
 東京都は都立病院条例3条1項の4で、個室使用料(希望により使用する場合に限る。)1日28,000円以内で知事が定める額、と規定しています。
 改めて、東京都のこれまでのとりくみ、通知を受けての考え方についてうかがいます。

Q1 都立病院、公社病院での障害者の受け入れの現状を教えて下さい。昨年度、障害者の入院の状況、その内、有料個室利用数はどのようになっていますか。

Q2 そのなかで、有料個室を本人の希望ではなく利用したケースはどのぐらいありますか。

Q3 本人の希望でなく有料個室を利用する場合、有料個室使用料の負担は自己負担にすべきではないと思いますが、見解をうかがいます。

Q4 公社病院には有料個室の使用について、都立病院について条例で規定しているようなものが見受けられません。希望により使用する場合に限ることを都民に対して明示していく必要があると思いますが、見解をうかがいます。

二 島しょにおける救急ヘリコプターの運行等について

 東京都の島しょ人口は、2町7村で26,048人(2018年1月1日時点)、島によって大きな違いはあるものの、高齢化率は平均で30%を超えています。東京の離島は、本土から海を隔てて遠距離に位置しており、そのため医療機関は小児から高齢者までの全診療科、慢性疾患から3次救急まで対応することが求められています。近年、CTの設置も11島のうち7島にまですすみ、都立広尾病院と離島の医療機関との間で、画像伝送システムにより専門医の助言を受けられるように改善されてきています。しかし、それでも、島内で対応できない救急患者が発生した場合は、救急ヘリコプターにより都立広尾病院など島外に搬送することになります。毎年、200数十件が搬送されています。
 この救急ヘリコプターは、「生命に緊急を要する」と医師が診断する場合に運行されていると聞きます。島の方々からは、生命に緊急を要しない場合であっても、著しい苦痛があるときなどは運行してほしい、との要望が強くだされています。たとえば、骨折などで手術をおこなうが、生命に緊急を要しないと判断されれば、ヘリ搬送はされず、地力で船などにより島外の病院に行くことになります。一日かけて、大変な苦痛のなか移動を強いることは改善されるべきです。
 本土であれば、著しい苦痛があれば救急車での搬送があります。島しょ地域でも、本土と同じように対応すべきです。

Q1 島しょにおける救急患者の搬送について、救急ヘリコプターの搬送基準が示されているものがあれば、どこに、どのように書かれているのか明示してください。

Q2 救急ヘリコプターによる救急患者の搬送について、要請から搬送にいたるまでの手順を明らかにして下さい。

Q3 島外の病院に行くように診断された場合、時間と費用の負担は大きなものがあります。「たった20分の診察を受けるために、2日間かけている」、「骨折で付き添いの人がいないと島外の病院には行けない」などの声があります。「お金がかかるので、必要な医療をためらってしまう」との声もあります。島によっては、交通費の支援(例・利島7,000円×6回)を厳しい財政のなかで実施していますが、東京都としての支援が必要だと考えます。離島であるがゆえに、必要な医療を受けにくいという状態を少しでも改善していくために、交通費の補助制度を都として実施することを求めますがいかがですか?

Q4 島外への通院に要する住民負担を軽減し、必要な医療を受けられるようにすることは、各島にとって喫緊かつ重要な課題です。島しょ振興の観点から、各島の負担軽減を図るため、都としてでき得る支援策を幅広く検討すべきと考えますが、いかがですか?

三 国の「農業次世代人材投資事業」について

 国の青年の就農者に対する支援の一つである「農業次世代人材投資事業」(経営開始型)は次世代の農業を担う青年に対する支援で、年間最大150万円、最長5年間交付する制度です。しかし、5年間の間に怪我や病気等のやむを得ない理由で就農できない期間が発生すると、その期間の交付金は受けることができません。5年間という短くない期間では、誰にも怪我や病気が起こり得ます。
 都内は、都市農業、中山間地、島しょなど様々な条件で多彩な農業がおこなわれており、東京の魅力の一つにもなっていますが、農業従事者が高齢化し、減っていく中で、新規就農者を支援することは極めて重要です。
 次世代の農業者を支援するという制度の趣旨にたち、柔軟な対応が求められます。

Q1 都として、農業次世代人材投資事業について、怪我や病気の時など農業を休止せざるを得ない期間については5年間の期間から外し、再開時に休止前の残りの期間を交付対象とするような柔軟な対応を国に要請すべきと考えますが、いかがですか。

Q2 都としても、怪我や病気などやむを得ない理由で休業する農業次世代人材投資事業利用者に対し、休業中の期間の所得補償などの上乗せ補助を検討すべきと考えますがいかがですか。

原のり子議員の文書質問に対する答弁書

一 障害者の入院に際しての有料個室の扱いについて

A1 都立病院において平成29年10月に実施したワンデイ調査によれば、東京都の心身障害者医療費助成制度の利用並びに障害者総合支援法に定める更生医療及び育成医療により入院していた患者は合計123名であり、そのうち特別室を利用した患者は9名です。
 また、公社病院が都立病院と同日に実施したワンデイ調査によると、東京都の心身障害者医療費助成制度の利用並びに障害者総合支援法に定める更生医療及び育成医療により入院していた患者は合計48名であり、そのうち特別室を利用した患者は11名です。

A2 都立病院の9名の患者のうち、治療上の必要で特別室を利用した患者は8名であり、残り1名の患者は本人の希望により特別室を利用しました。
 また、公社病院の11名の患者のうち、治療上の必要で特別室を利用した患者は1名であり、残り10名の患者は本人の希望により特別室を利用しました。

A3 都立病院及び公社病院において、本人の希望ではなく治療上の必要により特別室を利用した場合については、個室使用料は徴収していません。
 また、診療報酬改定に併せて発出される厚生労働省の通知においても、「患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならないこと。」とされており、適切に対応しています。
 なお、患者が特別室を希望する場合は、これまでもトイレ、シャワー浴室などの附帯設備や料金等について丁寧に説明し患者の同意を確認の上、利用いただいています。

A4 特別室の使用については、厚生労働省の通知において患者の自由な選択と同意による場合に限られており、公社病院では、設備や料金等について丁寧に説明し、特別室使用申込書で使用の意思を確認の上、利用いただいています。
 また、各病院のホームページでも、特別室は患者の希望により利用できる旨、案内しています。

二 島しょにおける救急ヘリコプターの運行等について

A1 都は、島しょ町村の救急業務を補完するため、総務局、福祉保健局、東京消防庁の3者による「島しょにおける救急患者等の搬送業務の役割分担に関する協定」を締結し、これに基づいて救急患者搬送に係る業務を行っています。
 島しょ町村長から救急患者の搬送要請があった場合には、本協定に基づき東京消防庁のヘリコプター等により、本土の医療機関に搬送しています。

A2 島しょの医療機関で対応できない救急患者が発生した場合、医療機関は町村長に通報します。
 通報を受けた町村長は、支庁を通じて都に救急患者の搬送を要請します。
 要請を受けた都は、東京消防庁のヘリコプター等により救急患者を搬送します。

A3 島しょ町村の住民が、島外の医療機関へ通院等を行う際の交通費の一部助成については、住民の負担軽減のため、各町村が実情に応じて行っているところです。

A4 市町村に対する総合的な財政支援制度としては市町村総合交付金がありますが、この交付金は、各団体が交付額の範囲内で充当先を判断する、市町村の一般財源を補完するものです。

三 国の「農業次世代人材投資事業」について

A1 都はこれまで、国の「農業次世代人材投資事業」により、平成24年度から平成29年度までに39名の農業者の就農を支援してきました。
 国の実施要綱では、休止期間の対応について、災害や妊娠・出産により農業経営を休止した場合、休止から再開までの期間分の交付期間を延長することを可能としています。
 怪我や病気に伴う収入減少への備えについては、国が保険料の50パーセントを負担する農業者向けの収入保険制度が平成31年1月から開始されており、本制度により補償を受けることが可能となっています。
 引き続き、本制度の適正な運用に努めていきます。

A2 国が平成31年1月から開始した農業者向けの収入保険制度は、病気や怪我により収入が減少した場合についても、補償の対象としています。
 このため都は、国と連携し、農業者による収入保険制度への加入を推奨していきます。

以 上


2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 とや英津子

質問事項
一 城北中央公園調節池について

一 城北中央公園調節池について

 2018年7月の西日本豪雨による死者は200名を超え、避難者は4万2千人にのぼる大きな被害をもたらし、災害多発国日本の現実を改めて示しました。東京でも、同年8月末に世田谷区付近で1時間に110ミリメートル、練馬区では74ミリメートルの猛烈な雨を観測しています。日本は地震も起きやすく、台風の常襲コースに位置する地理的条件に加え、最近は豪雨の頻発のように従来と異なる様相をみせており、どの地域でも、あらゆる事態を想定し、備えを強めることが必要です。
 特に河川流域の市街化は雨水の流出形態に影響し、地球温暖化、異常気象と相まって集中豪雨や台風による洪水が頻繁に発生するようになっています。
 東京都は被害を最小限に抑えるため、河川の整備計画を策定してきましたが、練馬区内を流れる石神井川については新たな目標整備水準である時間75ミリの降雨に対応した調節池等を位置付けて「石神井川河川整備計画」(以下「計画」と言う)を変更し、2016年に国の認可を取得しています。
 石神井川は河川延長25.2キロメートル、小金井ゴルフ場付近に源を発し、小平市、西東京市から練馬区の三宝寺池、豊島園などから湧水を加え、板橋区から北区へと流れ、隅田川に合流する一級河川です。
 流域の歴史をみると、昭和初期には19.2%の市街地面積率であったのが、昭和30年代から40年代の10年間で急激に市街化が進み昭和40年代初期には78.5%に達しています。この流域では被害家屋100棟以上の浸水被害が出るなど対策が求められていました。
 そのため「計画」では、1時間あたり50ミリメートル規模の河道整備、公園整備等を活用した洪水を貯める調節池の整備、河川への流出を抑制する流域対策を位置づけています。調節池については、すでに上流部の西東京市に3ヶ所、練馬区の富士見調節池1ヶ所の4ヶ所において1時間あたり50ミリメートル対応の施設が整備されていますが、新たな目標整備水準に対応した調節池を6つの区間において整備していくこととしています。
 今回、都はその中の1つである新たな調節池を城北中央公園内に整備することとなり、2018年12月7日には地元住民への説明会が行われました。
 そこでお聞きします。

Q1 石神井川流域の調節池は、現在6つの区間で計画されていますが、城北中央公園調節池は、最も容量が大きく約25万㎥の規模です。この容量とした理由と調節池整備の効果についてお答えください。

Q2 「計画」では、「将来的には流域全体で1時間あたり100ミリメートル規模の降雨に対応できるよう治水水準の向上をはかる」とありますが、調節池以外の具体的な方法についてお答え下さい。
 城北中央公園調節池の工事はニューマチックケーソン工法で行うとの説明がありました。この工法は地下調節池をはじめ下水道処理場など幅広く用いられており、長い歴史と多くの実績を持つとのことです。
 一方、この工法は圧縮空気を鉄筋コンクリート製の函体であるケーソンの下部に送り込み、地下水圧と同じ圧力をかけながらケーソンを沈設する圧気工法です。そのため空気が漏出した場合、周辺の井戸や石神井川に酸欠空気が発生する恐れがあります。
 環境省によれば、酸欠空気は、吸入することによって息苦しさ、めまいなどの症状、末期には意識不明、呼吸停止、心臓機能停止など「酸素欠乏症」の症状がみられ、大変危険なものです。また、この酸欠空気が井戸、配管、壁面の割れ目を伝って周辺地域の地下室やトンネル、井戸等に漏出充満することで、住民に被害が生ずるとの見解を示しています。
 現在、外環本線シールド工事の影響で、世田谷区の野川では酸欠空気が発生したため、大問題になり、住民には不安が広がっています。

Q3 圧気工法を用いることによる、周辺の井戸や河川への影響についてお答えください。又、工事の計画に先立ち、工事区域の地質調査を行っていると思いますが、その結果の柱状図の提出を求めます。

Q4 酸欠空気の漏出が確認された場合の対応と健康への被害について具体的にお答えください。

Q5 工事にあたっては「法令の規定に基づき半径1キロメートル以内の範囲にある井戸・地下室の漏出の有無、その程度および酸素濃度を測定します」と述べていますが、1キロメートルの範囲の調査としている根拠と関係法令とは何をさしていますか。

Q6 1キロメートルの範囲以外で、住民が井戸の調査などを希望した場合調査はできますか。
 石神井川は、河川沿いに先土器時代以来の縄文、弥生、古墳、奈良、平安の時代まで遺跡をたどることができ、鎌倉時代以降は農地のかんがい用水として利用されてきたことが明らかになっています。また江戸時代には、石神井川以外の玉川上水、千川上水の用水も引かれ、石神井川流域の農業生産が飛躍的に増えたといわれています。
 この間の市街化に併せて河川整備が進められてきましたが、人工的なコンクリート護岸の連続が植物の生育を妨げ、街の景観特性との調和も難しくなったため、南田中団地付近や音無親水公園など、河道に入ることが可能な河川公園への整備や護岸の緩傾斜化による親水整備が行われてきました。
 都は、河川周辺の街並みや緑地等と一体となった河川景観・親水空間の保全・創出に努めると述べており、城北中央公園調節池の整備にあたっては、必要な治水機能を確保するとともに、公園と調和した親水整備を行うこととしています。

Q7 親水空間の整備にあたっては住民の声を直接聞く機会を設けるなどの対応を求めますが、いかがですか。さらに、石神井川の歴史も踏まえ、周辺環境とも調和のとれた親水空間を創出できるよう特段の努力を求めます。

とや英津子議員の文書質問に対する答弁書

一 城北中央公園調節池について

A1 新たな目標整備水準に対応した調節池の貯留量は、目標降雨により河川に集まる雨水を、下水道網や地形などを考慮して流域を分割したエリアごとに算定し、河川の流下能力を上回る部分を貯留するものとして計画しています。
 平成22年7月に板橋の雨量観測所で時間最大114ミリを記録した豪雨と同じ雨が降った場合でも、下流でのいっ水を防止するなどの効果を発揮します。

A2 石神井川河川整備計画において、「将来的には流域全体で1時間100ミリ規模の降雨に対応できるよう治水水準の向上を図る」としており、現在は、時間75ミリの降雨に対処するため、護岸や調節池の整備を進めています。

A3 本工事の施工に当たっては、周辺の井戸や河川への影響がないよう、函(かん)体下部の刃先を地下水に水没させた状態で掘削するとともに、漏気回収装置を設置します。
 また、資料等の開示については、適切に対応します。

A4 本工事の施工に当たっては、健康への影響がないよう、函(かん)体下部の刃先を地下水に水没させた状態で掘削するとともに、漏気回収装置を設置します。
 本工事で採用するニューマチックケーソン工法は、酸素欠乏症等防止規則第24条の対象となるため、規則にのっとり適切に対応します。

A5 労働安全衛生法に規定する「酸素欠乏症等防止規則」に基づき、調査範囲を決定しています。

A6 調査は、労働安全衛生法に規定する「酸素欠乏症等防止規則」に基づき、工事区域の周囲1キロメートル以内の範囲で実施します。

A7 親水空間の整備に当たっては、地元区や公園管理者などと調整し、進めていきます。

以 上


2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 河野ゆりえ

質問事項
一 「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想 素案」について

一 「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想 素案」について

 今年11月7日、東京都建設局は「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想 素案」を発表しました。この基本構想は、「葛西臨海水族園のあり方検討会」が公表した“海と人をつなぎ、海を守る水族園をめざして”のサブタイトルがついた報告書に基づき、策定されたと考えます。葛西臨海水族園は、1989年の開園から約30年が経っています。今後のあり方について、様々な角度から検討が深められたことは貴重です。
 ラムサール条約の登録湿地となった葛西海浜公園や木々の緑が豊かな葛西臨海公園の東に広がる鳥類園など、多様な自然に恵まれた環境の中に立地する葛西水族園が、生物多様性を守り、持続可能な社会への一拠点になることを願って、以下、質問します。

Q1 葛西臨海公園の開園面積は80.6ヘクタールです。1970年代初めに、東京都が施行者となって、江戸川区葛西地域を中心とした住民が所有していた水没民有地など約380ヘクタールを、埋立事業と区画整理事業を行なって土地をうみだし、造成したのが葛西臨海公園です。その後も、地元の人達の大きな協力によって、海と陸の自然が豊かに息づく公園になりました。
 また、葛西沖の海は、1950年代まで豊富な漁場としても知られ、食文化の発展にも貢献してきた歴史があります。
 地元住民は、水族園に「葛西」という名称がついていることに誇りを持っています。明治時代に上野動物園内に設置された日本初の水族館「観魚室(うをのぞき)」を起源とする葛西臨海水族園ですが、1989年開園の際、「葛西」の名称を入れてネーミングしたことについて、ご説明をお願いします。

Q2 葛西臨海水族園が更新の時を迎えた際、もし新しいネーミングを検討することがあった場合には、これまでの歴史を踏まえて「葛西」の名称を残していただくよう求めます。現在の英語表記(Tokyo Sea Life Park)にも「葛西」の地にある水族園であることがわかるネーミングを望みます。いかがですか。

Q3 葛西臨海水族園は、展示生物数は約600種・約4万3,000点、飼育生物数は940種・8万5,000点の展示・飼育生物を有し、交通もJR葛西臨海公園駅から徒歩数分の所にあり、立地条件に恵まれているなどのことから、年間平均150万近い人が訪れています。重要なのは、幼児から中学生まで、子ども達の自然学習の場として、大きな役割を果たしていることです。
 現在、入園料は、一般700円、中学生250円、65歳以上は半額の350円、小学生以下、都内在住・在学の中学生は無料となっています。同じ都立の上野動物園や井の頭自然文化園と比較すると、いくらか高い料金ですが、来園者にとっては、経済負担感が少ない料金設定であると思います。
 現在の入園料は、どのような考え方に基づいて設定されているのか、ご説明ください。

Q4 「葛西臨海水族園のあり方検討会 報告書」には、「葛西臨海水族園は都立の社会教育施設で、安価(小学生以下及び都内在住在学の中学生は無料)で健全なレクリエーションの場として、非日常空間を多くの人に提供している」とあります。こうした役割をはたしていることに鑑み、更新した場合にも、経済的負担については十分な配慮が必要と考えます。現行の入園料のしくみを維持されるよう求めるものですが、いかがですか。

Q5 葛西臨海水族園は、開園当時から、ドーナツ型の大水槽にクロマグロが周遊し、その迫力が話題になっていました。その他、多種類の魚類だけでなく、フンボルトペンギンやウミガラスなどの鳥類の繁殖も取り組み、希少種の保全にも力を入れて来ました。今後も、こうした取り組みを続けるとともに、展示のあり方も来園者に自然の生態系がよくわかる工夫をしていただくよう求めます。いかがでしょうか。

Q6 葛西臨海水族園は、静かな環境の中で淡水生物の観賞ができるので好評です。現在は、海洋魚などの展示場所と少し離れた場所にあるせいか、訪れる人が少ないと感じます。静かな環境を守りつつ、より多くの人が、淡水生物に親しめるような展示の工夫もしていただきたいと感じます。「川と海の結節点」にある葛西の地にふさわしい水族園になるよう、更新にあたって検討を要望するものですが、いかがでしょうか。

Q7 今年10月18日、葛西海浜公園がラムサール条約の登録湿地になりました。また、葛西臨海公園には水族園に隣接して鳥類園があります。淡水の「上の池」、汽水の「下の池」があり、数多くの鳥類が飛来し、生息しています。東京都がこれまでも、努力されてきたことは承知していますが、水族園と鳥類園が連携して生物保全の取り組みを進めていただくことが必要と考えます。そのためにも、やはり老朽化が進んでいる鳥類園の保全・改修や、淡水の上の池の水の浄化の努力を求めるものですが、いかがでしょうか。

Q8 葛西臨海公園の開園面積は80ヘクタールを超え、その中に位置する葛西臨海水族園は8.6ヘクタールの広さです。訪れる人が誰でも、葛西臨海水族園の内外で自然に親しみ楽しめるように、バリアフリー、ユニバーサルデザインの観点で整備を進めることが望まれています。水族園の更新に向けて、設計などについてのお考えをお示しください。

Q9 「葛西臨海水族園」は、江戸川区南端の海辺に面しており、太陽の光に恵まれています。更新にあたっては、景観に配慮しつつ、太陽光を中心とした自然エネルギー導入を進めていただくよう求めるものです。自然エネルギー導入促進については、どのような検討を進めているでしょうか。伺います。

Q10 「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想 素案」はパブリックコメントが行なわれましたが、今後、都の「基本構想」策定にあたっては、専門家はもとより、より丁寧に地元自治体や、地域住民の意見、要望を聞き取っていただくよう求めます。いかがですか。

河野ゆりえ議員の文書質問に対する答弁書

一 「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想素案」について

A1 葛西臨海水族園については、葛西臨海公園内の有料施設として、東京都立公園条例第3条第4項に基づき、名称を葛西臨海水族園、設置年月日を平成元年10月10日と告示しています。

A2 葛西臨海水族園の名称検討については、現時点では未定です。
 「Tokyo Sea Life Park」という英語による表記については、屋内の水槽展示に加え、園地に池や川の自然を再現した「水辺の自然」を整備することによって、様々な環境に生息する生き物と出会えることなどから、採用しています。
 現在では、世界各国の水族館等との交流に使用するなど、広く親しまれています。

A3 入場料は、受益者負担の考え方に基づき、施設の維持に必要な経費などによって算定した原価を基本として、社会情勢の変化、教育的な配慮や他公共団体の同種施設の料金などを参考に設定しています。

A4 受益者負担の考え方に基づき、施設の維持に必要な経費などによって算定した原価を基本として、社会情勢の変化、教育的な配慮や他公共団体の同種施設の料金などを参考に、新たに入場料を設定します。

A5 基本構想は、外部有識者によるあり方検討会の報告書に基づき作成したもので、新たな理念や機能の再構築など、今後の水族園像を示したものです。
 この中で、収集・飼育・繁殖、環境保全への貢献、展示・空間演出などを水族園の機能としており、これらの機能が有機的につながるよう取り組んでいきます。

A6 葛西臨海水族園は、荒川と旧江戸川の河口付近で東京湾に面するといった立地特性を有しています。
 基本構想では、淡水と海水の結節点という立地を生かし、河川や湖沼を含め、海の文化や歴史を伝えられるよう、取り組むこととしています。
 淡水生物を含めた展示水槽については、今後、検討していきます。

A7 鳥類園は、平成6年の開園以来24年が経過し、ウォッチングセンターの老朽化が目立ってきています。
 そこで、平成30年度には、ウォッチングセンターの老朽化調査を実施しており、この調査結果に基づき、対応していきます。
 また、上の池については、平成29年度に泥土除去を行い、現在、定期的に水質調査を実施しています。

A8 葛西臨海水族園は、子供から大人までの幅広い世代が、国籍や障害の有無を問わず楽しむ施設であり、バリアフリー等のアクセシビリティを確保することが重要です。
 新たな水族園が、誰もが使いやすく魅力的な施設となるよう、取り組んでいきます。

A9 基本構想においては、再生可能エネルギーの導入等、環境負荷の低減に効果的な対策を講じることとしています。

A10 基本構想は、外部有識者によるあり方検討会の報告書に基づき、お寄せいただいた都民意見も参考にしながら策定しました。
 今後とも、地元をはじめ、都民に対し丁寧に説明をしながら進めていきます。

以 上


2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 米倉春奈

質問事項
一 日本語指導が必要な生徒への支援について

一 日本語指導が必要な生徒への支援について

 日本語指導が必要な外国籍の児童生徒は、毎年増加し、2016年度の調査では、都内に小学生1564人、中学生814人、高等学校生526人となり、2年前の調査と比べて都内だけでも約600人増加している状況です。また日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒も、同年度の調査では、小学生800人、中学生191人、高等学校生80人で、前回調査よりも増えています。
 都教育委員会は現在、都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)案を公表し、今年度中には策定する予定ですが、今後も、日本語の支援が必要な児童生徒は増加することが見込まれる中、子どもたちの語学力に見合った日本語支援と就学の機会を保障する計画とすることが求められています。
 まず、都立高校の入学者選抜制度についてです。
 日本語の支援が必要な子どもたちにとって、日本語で日常会話ができることと、日本語で教科書を読んだり授業を受けたりして内容を理解することや、日本語の試験を受けることには大きな差があります。
 これまで都立高校では、在京外国人対象の入学枠を設け、その対象校と定員数を拡充してきたことは重要ですが、倍率は2倍をこえる状況の中、さらなる定員拡大が求められています。
 また、入国後の在日期間が入学日現在3年以内の外国籍の方に対しては、一般の入学者選抜の学力検査問題と在京外国人生徒対象の入学者選抜の検査問題にひらがなのルビを振る措置と、辞書の持込と時間延長を認める措置がとられています。しかし、子どもたちの語学力を踏まえると、この措置が在日期間3年以内に限られることは厳しく、子どもたちを支援する関係者や保護者からは、年限の引き上げが求められてきました。そうした実態を受けて2019年度入学者選抜からは、在日期間を6年以内へ拡充し、また国籍を問わず日本国籍の生徒についても、日本語指導が必要な方は対象とするとしたことは重要です。
 同時に、入学者選抜の内容についても関係者からは要望が出ています。現在、在京外国人対象の入学選抜方法は、日本語か英語の作文と面接です。本来、日本語が不十分な生徒のための枠ですが、この選抜方法では英語圏出身者と滞日期間が長く日本語の習得が進んだ生徒が有利になり、来日後の時間が短い生徒は、学力があっても合格が困難になるという指摘もあります。作文と面接または学力試験のどちらかを選ばせてほしいとの声もあります。

Q1 在京外国人枠の入試選抜について、英語、数学での学力試験を行うことを求める要望がありますが、都教育委員会はどう考えていますか。

Q2 平成31年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書でも、在京外国人生徒対象の選抜に関する課題等のまとめとして、検査の内容について「面接等に加えて、学力検査の実施について、日程、教科等、更に十分な検討が必要である」と記載していますが、都教育委員会は今後どのような検討をするのですか。
 保護者等の都合により、日本語の準備をする間もなく突然に外国から日本に移転せざるをえない子どもにとって、日本の高校へ入学することは、非常に困難な状況となっています。現地の高校から都立高校へ編入する場合、国語、数学、英語の試験を受けなければなりません。こうした子どもたちの支援をする関係者から、現地ではきわめて優秀な学業成績を収めているにもかかわらず、単に言葉の問題で入学できないケースもあると聞いています。

Q3 新実施計画(第二次)(案)の中でも、「在京外国人生徒等のニーズに対応した教育環境を整備していくことが重要」、「都立高校に入学した外国人生徒等が、学校生活を円滑に送るため、引き続き適切な支援を行っていく必要があります」と指摘されています。
 都立高校に、外国の高校から編入する場合に、入試が日本語のみとなると、子どもの高校教育を受ける機会がなくなる危険性が生まれますが、都教委はどう考えているのですか。

Q4 外国の高校から都立高校へ編入する外国人生徒については、日本語での試験ではなく、中国語や英語などでの入学試験の機会を提供してほしいという支援に携わる方々からの要望について、都教委はどう考えていますか。

 都立高校に入学した後の支援も大切です。

Q5 都立高校には日本語指導が必要な生徒はどのくらいいるのですか。外国籍及び日本国籍の最新の生徒数について、それぞれ伺います。

Q6 日本語指導が必要な生徒に対してどのような支援をしているのですか。

Q7 来日したばかりの生徒を都立高校に受け入れ、入学後に集中的に日本語教育を行うことや、日本独自の知識が要求される歴史や日本の文化などを集中的に教える仕組みの整備が必要ですが、都はどう認識し取り組んでいくのですか。

Q8 在京外国人枠が設置されている都立高校では、日本語指導が必要な生徒数に対して、教員が1人加配されますが、それだけでは生徒一人ひとりの状況に応じた支援は限られます。せめて小中学校の日本語学級並みの教員配置が必要だと考えます。支援の拡充のために教員加配などの検討が必要ですがいかがですか。

Q9 在京外国人入試枠がない都立学校にも、日本語支援が必要な生徒は多数在籍しています。しかしそうした学校には、在京外国人入試のある学校で行われている教員の加配や、国語などの授業時間を日本語指導にあてる取り出し授業も行われていません。在京外国人入試を行う学校と同様の支援をすべきですがいかがですか。

 生徒たちの入学や学校での日本語などの支援とあわせて、学校と生徒・保護者とのコミュニケーションを支援することも重要です。
 三重県では児童相談所で24時間多言語に対応する電話通訳を導入し、日本語の話せない外国人からの相談内容を正確に把握することで体制を強化しました。

Q10 学校と生徒や保護者間のコミュニケーションと意思疎通が必要となる場合に、多言語の通訳支援がうけられるようにする必要がありますが、都教育委員会はどう取り組んでいくのですか。
 同時に、学校からの文書などをウェブ上で日本語に限らず多言語で周知し、必要な情報を保護者等に伝える支援も必要ですがいかがですか。

米倉春奈議員の文書質問に対する答弁書

一 日本語指導が必要な生徒への指導支援について

A1 在京外国人生徒の入学者選抜については、一般の入学者選抜とは別に特別募集枠を設け、学ぶ意欲を重視し、学力検査を行わず、日本語又は英語の面接及び作文により選抜を行っています。
 また、当該都立高校長が必要と判断した場合は学力検査を実施することができることとしています。

A2 都教育委員会は、毎年、検討委員会を設置し、前年度の都立高校入学者選抜を評価・検証した上で、次年度以降の入学者選抜の改善を図っています。
 在京外国人を対象とした選抜に関しては、平成28年度に特別部会を設置し、応募資格など受検に関する様々な課題について検討し、平成29年度には、事前の応募資格確認の機会を都教育委員会が主催するなどの取組を行いました。
 また、平成30年度には、ルビを振る措置の対象を入国から6年以内の者に拡大するなどしました。
 現在、検討委員会の中で、学力検査の実施等を含めた課題について継続的に検討を進めています。

A3 転学・編入学募集は、各学校が定員を充たしていない場合に行うこととしており、外国籍を有する生徒の編入学については、第一学期転学・編入学募集を毎年3月に実施しています。
 外国の現地校から編入学を希望する生徒については、志願者の修得単位数に応じて相当の学年に出願することができます。
 編入学は全日制課程、定時制課程及び通信制課程の多くの都立高校で実施しており、入学後に適切な指導や配慮ができるよう日本語能力を把握し、生徒の高校教育を受ける機会の確保に努めています。

A4 編入学の実施方法については、国籍を問わず、国語、数学、外国語(英語)及び面接を原則として、各都立高校長が適切に定めるとしています。
 実施方法の決定に当たっては、必要に応じて検査教科の厳選や作文等他の検査への差し替え、専門教科を課すなど、受検者の編入学後に必要な学力等を適切に測ることができる検査としています。
 現在、検討委員会の中で、学力検査の実施等を含めた課題について継続的に検討を進めています。

A5 文部科学省では、日本語指導が必要な児童・生徒の受入状況等に関する調査を隔年で行っており、平成28年度の調査では、都立高校における日本語指導が必要な外国籍の生徒数は526人、日本国籍の生徒数は80人です。
 また、都教育委員会では、文部科学省の調査が行われない年度に、日本語指導が必要な外国籍の児童・生徒について独自に調査を行っており、平成29年度の調査では、都立高校における日本語指導が必要な外国籍の生徒数は736人です。

A6 都教育委員会は、日本語指導の必要な生徒が、早期に授業内容を理解することができるよう、日本語の習得に向けた支援を実施しています。
 具体的には、生徒の状況等に応じて、授業中に、教員が別室で学習内容の理解や日本語習得のための指導を実施したり、外部人材が生徒の母語を介して授業内容の理解を促すための補助を行ったりしています。
 また、放課後や夏季休業日等には、教員や外部人材が、日本語の習得のための個別指導を実施しています。

A7 日本語指導が必要な生徒に対する日本語指導の際に、日本固有の生活文化様式や歴史的出来事を題材とするほか、学校生活の様々な場面においても、生徒が円滑な学校生活を送れるよう支援しています。
 今後とも、日本語指導が必要な生徒のニーズに対応した日本語指導や学校生活を円滑に送れるための支援に努めていきます。

A8 都教育委員会では、在京外国人生徒対象枠を設定した都立高校に対して、教員1名を加配しており、平成30年度は6校6名の加配を行っています。
 また、各校の実情に応じて、日本語指導等のために必要な時間講師も配置しており、引き続き、適切に対応していきます。

A9 在京外国人生徒対象の入学者選抜がない都立高校では、外部人材を活用して、授業中に、生徒の母語を介して講義内容の理解を促すための補助を行ったり、放課後や夏季休業日等を活用して日本語の習得のための個別指導を実施したりしています。
 今後とも、日本語指導が必要な生徒のニーズに対応した日本語指導ができるような教育環境の整備に努めていきます。

A10 在京外国人生徒対象募集枠を設置している都立高校については、翻訳機能を使用して、生徒や保護者とのコミュニケーションの際に活用できるよう、タブレット端末を配備しています。
 また、高等学校等就学支援金の支給手続に係るリーフレット等について、英語、中国語、韓国語及びタガログ語の4言語に翻訳し、学校が必要に応じて保護者等への説明に活用できるようにしています。
 今後とも、学校と日本語指導が必要な生徒や保護者との間で、円滑なコミュニケーションが図れるよう、必要な改善に努めていきます。

以 上

2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 里吉ゆみ

質問事項
一 大規模事業所におけるCO2排出量の総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)について

一 大規模事業所におけるCO2排出量の総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)について

 都は、東京都環境基本計画で掲げた2030年までの都内温室効果ガス排出量削減目標(2000年比30%削減)の達成とその先の「脱炭素社会」の実現を見据え、これまで、「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)」など気候変動対策に係る主な制度の新たな取組について、専門家等の意見を踏まえた検討を進めています。しかし、その中心となるキャップ&トレード制度の到達点と成果については、それを図るための基準、排出係数、事業所数などの資料が不明確な状態にあります。到達点と成果が不明瞭では、今後の施策形成も難しいので、以下、質問します。
 キャップ&トレード制度は、総数でみれば都内事業所のごく一部を占めるに過ぎない大規模事業所が、CO2排出量でみれば都内の業務・産業部門の排出量の相当部分を占めることにかんがみ、大規模事業所に社会的責任を果たさせる立場から創設されています。このため、制度創設当時と現在で、都内の業務・産業部門のCO2排出量に占める大規模事業所の排出量の推移を正確につかむことが必要です。そこでお尋ねします。

Q1 都内の業務2008年3月の環境審議会答申は、「都内の排出実態を詳しく見ると、都内事業所数の1%に満たない大規模なCO2排出事業所からのCO2排出量が、都内の業務・産業部門の排出量の約4割を占めている」としていますが、この「大規模なCO2排出事業所」の定義、事業所数、排出量は明確にされていないなど詳細は不明です。2007年度から2008年度にかけておこなわれた「ステークホルダーミーティング」の第二回では、「都内大規模事業所数の温暖化ガス排出状況等」(資料3)として、都内業務・産業部門のCO2排出量約2660万トンに占める割合が4割である旨の円グラフがありますが、4割ならば約1000万トン程度となるにもかかわらず、その左の表では、大規模事業所の温暖化ガス排出量は基準排出量として1319万トンと大幅に上回る量が提示されていて、齟齬が生じています。
 2008年答申における「大規模なCO2排出事業所」の定義、事業所数(産業・業務ごと)及び、そのCO2排出量(産業・業務ごと)、用いられたCO2排出量係数をそれぞれ示してください。

Q2 また、2010年度のキャップ&トレードの創設当時、対象となった大規模事業所の事業所数(産業・業務ごと)及び、そのCO2排出量(産業・業務ごと)、産業・業務部門のCO2排出量に占める割合、用いられたCO2排出量係数をそれぞれ示してください。

Q3 直近の大規模事業所の事業所数(産業・業務ごと)及び、そのCO2排出量(産業・業務ごと)、産業・業務部門のCO2排出量に占める割合、用いられたCO2排出量係数をそれぞれ示してください。

Q4 都は、環境基本計画2008で2020年までに2000年比温暖化ガス25%削減、環境基本計画2016で、2030年までに2000年比30%のCO2排出削減をめざすとしている。いずれの計画でも、2000年度が基準年になっています。ところが、キャップ&トレードの対象となっている大規模事業所については基準年の排出量が明らかになっていません。大規模事業所のCO2排出量について、産業、業務ごとに示してください。
 都内では、都市再生を名目に超高層の業務ビルが制度創設後も、数多く建設されており、建設そのものにはコントロールが効いていないとの声が出されています。大規模事業所の排出量の実情を調べるためには、産業と業務をそれぞれ切り分けて、超高層ビルの建設による業務ビルの増大が、CO2排出量にどのような影響を与えているかをみることも大切です。

Q5 大規模排出事業所の事業所数、排出量、延べ床面積等の変遷について、業務・産業別に年度ごとに示してください。

Q6 第二計画期間の基準排出量を1650万トンとしていますが、基準排出量の対象となる大規模事業所がどのような事業所であるのか、定義などが不明瞭です。大規模事業所の対象(いつまでに制度に参加した事業所なのか、制度開始時点の事業所の基準排出量の総計か、別の時点での制度参加事業所の基準排出量の総計か)、産業・業務別の事業所数と基準排出量はいくつか、それぞれ示してください。

Q7 2016年度の制度対象事業所の総CO2排出量を1213万トンとしていますが、このケースでの制度対象事業所の対象(いつまでに制度に参加した事業所なのか、制度開始時点の事業所の基準排出量の総計か、別の時点での制度参加事業所の基準排出量の総計か)、産業・業務別の事業所数と総CO2排出量はいくつか、それぞれ示してください。

Q8 第1期の削減義務率について、「対策義務水準:2つの視点から検討」「視点〔1〕削減対策の実施による削減余地等」「視点〔2〕都の温暖化ガス削減目標の達成」、それぞれの視点が目標にどのように反映されたのか、具体的に示してください。

Q9 第2期の削減義務率の考え方と具体的な反映のされ方について示してください。

Q10 第3期の削減義務率の考え方と具体的な反映のされ方について示してください。

里吉ゆみ議員の文書質問に対する答弁書

一 大規模事業所におけるCO2排出量の総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)について

A1 大規模なCO2排出事業所とは、環境確保条例に基づき平成17(2005)年度から平成21(2009)年度まで運用していた地球温暖化対策計画書制度(以下「旧制度」という。)の制度対象事業所で、燃料・熱・電気の使用量が原油換算で年間1,500キロリットル以上の大規模事業所です。
 対象事業所数等については、次のとおりです。
 部門 対象事業所数 CO2排出量
 (万トン) 電力のCO2排出係数
 (以下「電気の排出係数」という。)
 産業 298 441 0.318トン毎千キロワット時
 業務 976 714
 合計 1,274 1,155
 注1 平成17(2005)年度、平成18(2006)年度に旧制度の地球温暖化対策計画書を提出した事業所の集計(ステークホルダーミーティング第2回資料3作成時点での確定値。なお、当該資料における大規模事業所の基準排出量算定に用いた電気の排出係数は、旧制度で用いた0.386トン毎千キロワット時)
 注2 CO2排出量は、上記の集計を基に、都内産業・業務部門のCO2排出量算定に用いた電気の排出係数(0.318トン毎千キロワット時)で再算定した値

A2 対象事業所数等は、次のとおりです。
  産業 業務
 対象事業所数 180 1,178
 CO2排出量(万トン) 265 1,165
 都内の産業・業務部門に占める割合(パーセント) 39
  45 38
 なお、第一計画期間(平成22(2010)年度から平成26(2014)年度まで)の電気の排出係数は0.382トン毎千キロワット時ですが、第二計画期間との比較を容易にするため、CO2排出量は、第二計画期間の電気の排出係数(0.489トン毎千キロワット時)で再算定した値です。
 注 都内の産業・業務部門に占める割合は、都内の産業・業務部門のCO2排出量を、第二計画期間の電気の排出係数(0.489トン毎千キロワット時)で再算定した値に対する割合

A3 直近として、第二計画期間2年度目にあたる平成28(2016)年度の対象事業所数等は、次のとおりです。
  産業 業務
 対象事業所数 155 1,086
 CO2排出量(万トン) 202 1,012
 都内の産業・業務部門に占める割合(パーセント) 39
  41 39
 電気の排出係数
 (トン毎千キロワット時) 0.489
 注 都内の産業・業務部門に占める割合は、都内の産業・業務部門のCO2排出量を、第二計画期間の電気の排出係数(0.489トン毎千キロワット時)で再算定した値に対する割合

A4 キャップ&トレード制度における大規模事業所の基準排出量は、平成14(2002)年度から平成19(2007)年度までのいずれか連続する3か年度の平均値で算定しています。

A5 対象事業所数等の変遷は、次のとおりです。
 年度 対象事業所数
 (各年度末時点) CO2排出量
 (万トン) 延べ床面積
 (万平方メートル)
  産業 業務 産業 業務 産業 業務
 22(2010) 180 1,178 265 1,165 879 10,586
 23(2011) 182 1,210 247 1,036 874 10,331
 24(2012) 182 1,225 243 1,045 865 10,396
 25(2013) 171 1,213 237 1,038 871 10,395
 26(2014) 168 1,168 226 1,016 859 10,455
 27(2015) 163 1,108 209 1,015 846 10,524
 28(2016) 155 1,086 202 1,012 825 10,602
 注1 第一計画期間(平成22(2010)年度から平成26(2014)年度まで)の電気の排出係数は0.382トン毎千キロワット時ですが、第二計画期間との比較を容易にするため、第一計画期間のCO2排出量は、第二計画期間の電気の排出係数(0.489トン毎千キロワット時)で再算定した値
 注2 CO2排出量は、各年度の制度対象事業所のうち、規模縮小等により制度対象外となる事業所のCO2排出量を除外等した値

A6 対象は、制度開始(平成22(2010)年4月1日)時点で制度対象である事業所です。
 対象事業所数等は、次のとおりです。
  産業 業務
 対象事業所数 184 1,170
 基準排出量
 (万トン) 337 1,313
 注 第一計画期間(平成22(2010)年度から平成26(2014)年度まで)の電気の排出係数は0.382トン毎千キロワット時ですが、第二計画期間との比較を容易にするため、第一計画期間のCO2排出量は、第二計画期間の電気の排出係数(0.489トン毎千キロワット時)で再算定した値

A7 対象事業所数等は、次のとおりです。
  産業 業務
 対象事業所数 153 1,071
 総CO2排出量
 (万トン) 202 1,012
 注 対象事業所数は、平成28(2016)年度の制度対象事業所のうち、規模縮小等により制度対象外となる事業所を除外等した値

A8 第一計画期間の削減義務率は、平成32(2020)年のCO2削減目標達成の観点から、平成32(2020)年における大規模事業所の目標排出量を算定した上で、最初の5年間はその後の大幅削減に向けた始動期と位置付け、これに基づく義務率8パーセントを算定しました。
 削減余地については、旧制度で蓄積していたデータなどに基づく検討を行い、運用対策の徹底に加え、照明や空調の高効率化など、現在利用可能な技術を十二分に活用することで、必要な削減量がおおむね達成できるものと試算しました。

A9 第二計画期間の削減義務率は、平成32(2020)年のCO2削減目標達成の観点から、平成32(2020)年における大規模事業所の目標排出量を算定した上で、第一計画期間に続く5年間について、より大幅な削減を定着・転換する期間として、17パーセントという見通しを第一計画期間の開始前に示しました。
 東日本大震災による節電後の状況を踏まえて、対象事業所の今後の削減余地について検討を行い、実施可能な一般的な省エネ対策によって、必要な削減量がおおむね達成できるものと試算しました。

A10 第三計画期間の削減義務率は、平成42(2030)年のCO2削減目標達成の観点から、平成42(2030)年における大規模事業所の目標排出量からバックキャスティングにより27パーセントと算定しました。
 また、事業所の省エネ余地などを分析するとともに、低炭素電力選択の仕組みを拡充することも検討しています。
 パブリックコメントでは、第二計画期間より10ポイント高い27パーセントで提示しました。

以 上


2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 とくとめ道信

質問事項
一 「都営母子アパート」と併設になっている区立保育園について

一 「都営母子アパート」と併設になっている区立保育園について

 板橋区は、区内仲宿にある「都営母子アパート」について、東京都が、現在、今後の計画や方針を示していないことを理由にして、併設されている区立仲宿保育園を使用許可期限を迎える2020年3月末をもって、閉園するためとして、2019年度からの新規入園募集を停止、廃止するとの方針を明らかにしています。
 そのために、突然の説明を受けた保育園利用の保護者からは、「区の方針には納得できない」との声が寄せられ、区議会には陳情も提出されました。
 板橋区内では、希望する保育園に入園できない待機児童が、2018年4月時点で約800人もおり、待機児童解消にむけて、区自身も都有地や公有地を確保し、保育園増設を進める方針を示しているもとで、疑問や批判の声があがっています。
 そこで、都営母子アパートの今後と、板橋区立保育園に関連して、以下の内容について都の見解をうかがいます。

Q1 「都営母子アパート」の新規入居募集が、2015年度から停止されていますが、その理由とともに、現在、改築や解体などの計画があるのかについて、伺います。

Q2 板橋区は、区立仲宿保育園を運営するにあたり、「都営母子アパート」の使用について、東京都と5年ごとに更新する使用許可契約を行っていますが、次回の使用許可の更新について、都が許可しないか、または、許可しない可能性があるのでしょうか。それは、どのような場合でしょうか。伺います。

Q3 仮に「都営母子アパート」の使用が許可できないとなった場合は、いつ、どのようにして、板橋区に情報提供がなされるのでしょうか。また、情報提供にあたっては、区立保育園が、現在設置されていることについて、考慮されるのでしょうか。伺います。

Q4 板橋区から、区立仲宿保育園や「都営母子アパート」の今後について、都に対して相談や協議の申し入れ等が、行われているのでしょうか。また、行われているとしたら、それはどのような内容だったのでしょうか。伺います。

Q5 「都営母子アパート」に併設されている区立仲宿保育園の存続の可能性について、板橋区側から、都に対して、これまで相談があったのでしょうか。伺います。

Q6 今回の区立仲宿保育園の募集停止・廃止の方針について、板橋区の側から、都に対して、何らかの情報提供、説明があったのでしょうか。伺います。

とくとめ道信議員の文書質問に対する答弁書

一 「都営母子アパート」と併設になっている区立保育園について

A1 都営仲宿母子アパートは、平成12年に都区協議会で決定された都区制度改革実施大綱において、移管対象団地とされています。都は、同アパートの今後の取扱いについて、平成27年度から板橋区との協議を行っていることから、新規入居者の募集を停止しています。現在、都が改築や解体を行う計画はありません。

A2 区立仲宿保育園の使用許可については、板橋区の申請に基づき、更新することは可能です。

A3 区立仲宿保育園の使用許可については、板橋区の申請に基づき、更新することは可能です。

A4 区立仲宿保育園の今後については、板橋区から相談や協議の申入れはありません。都営仲宿母子アパートは、平成12年に都区協議会で決定された都区制度改革実施大綱において移管対象団地とされており、都は、同アパートの今後の取扱いについて、板橋区との協議を行っています。

A5 区立仲宿保育園の今後については、板橋区から相談や協議の申入れはありません。

A6 平成30年7月に板橋区から、区立仲宿保育園の募集停止・廃止の方針について、区議会及び区立仲宿保育園の保護者に対し、今後説明していく旨の情報提供がありました。

以 上


2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 和泉なおみ

質問事項
一 公有地の拡大について

一 公有地の拡大について

Q1 「公有地は都市計画の基礎」といわれ、西ヨーロッパの諸都市では公有地の拡大が図られてきました。フランスの首都パリでは市域の60%が公共用地として確保されています。ドイツでは人口100万人以上の都市では40%以上が市の所有地となっていると聞きます。スウェーデンなど北欧諸国では4割から5割の土地はそれぞれの自治体の所有だといわれています。これと比べると東京の公有地は18.3%(平成27年度土地所有・利用概況調査報告書:国交省 土地・建設産業局)に過ぎません。
 特に戦後、高度経済成長期に急速に市街化が進んだ周辺区部は、まちづくりを進める上で公有地の拡大は切実なものがあります。
 まちづくりのための周辺区部地域における公有地の拡大について都は、その意義をどのように考えていますか。

Q2 かつて葛飾区は、工場の数では大田区に次いで都内第2位を占めるほどの工業集積地でした。しかし、近年は工場の移転・廃業が相次いでいます。葛飾区の工場集積は零細な町工場が多いのが特徴ではありましたが、それでも1973年には従業員100人以上の工場が63あったのに対し、2011年にはわずか5ヶ所にまで減少しました。工場跡地には、必ずと言っていいほどマンションかスーパーが建ち、まちが変わっていきました。多くの区民が「これでいいのか」という思いでいるのが現状です。
 今年2月1日、葛飾区奥戸1丁目にある森永乳業東京工場が、2021年3月をもって生産を停止すると発表しました。この工場は乳製品のほか焼きプリンや、ロングライフ豆腐などを作っている工場ですが、面積が61,060平方メートルあります。森永乳業は、まだ工場跡地を売却するかどうか態度を明らかにしていませんが、現実に森永乳業が進めている工場再編計画から予測すると、工場跡地が売却される可能性が高いと見られています。既成市街地の中に6ヘクタール以上の空き地が生まれるということは、葛飾区内ではもうないだろうと思われます。葛飾区も区議会で問われて「こうした広大な敷地は・・・区のまちづくりをすすめるうえで重要な資源であると考えております。」と述べて、すでにこの土地利用について検討を開始していることを明らかにしました。
 そこで伺いますが、東京都の立場からみても、こうした広大な空き地が既成市街地のなかに生まれる場合は、まちづくりのうえで貴重な資源となると考えますがどうですか。

Q3 問題は、現実にどうやって土地を公有地として取得するか、ということです。この点で、葛飾区長は区議会で「森永乳業と協議することはもちろんですが、東京都や地元、いろいろなところの意見も聞きながら・・・国や東京都からも補助金をもらいながらやっていく」と東京都との連携は不可欠であることを述べています。
 ついては、都は森永乳業東京工場の土地の取得について葛飾区と連携協力し、積極的に支援すべきと思いますが、いかがですか。

Q4 「公有地の拡大の推進に関する法律」つまり公拡法は、その第1条で「都市の健全な発展と秩序ある整備を促進するため」と目的をうたっており、地方公共団体が計画的に公有地を確保することができるように、自治体による先買い権を認めています。しかし、買い取りの目的をあらかじめ明確にしなければならず、具体的内容を示さず「あらかじめ買っておく」ことはできない、とされています。しかも、自治体が判断できる期間は、三週間と限られていますので、かなり事前に準備、検討しておかなければ実際には先買い権を行使することは難しいのが現状です。
 この点で、葛飾区には都も無関係ではない苦い経験があります。
 2001年に、葛飾区新宿6丁目にあった三菱製紙中川工場跡地18ヘクタールを、当時の都市基盤整備公団が取得した際、葛飾区は方針としてここに大学を誘致することを考えていました。都市基盤整備公団が取得した土地の開発計画検討委員会を立ち上げたとき、そのメンバーに葛飾区も東京都も幹部職員をそれぞれ4名ずつ参加させて土地利用開発構想をつくりあげました。開発構想は居住系、商業系土地利用としてまとめられ、大学誘致は認められませんでした。そのまま再開発促進区の地区計画都市計画決定が行われたあと、葛飾区はかねてからの大学誘致計画を具体化したのです。このため、都市計画決定は変更せざるを得なくなり、葛飾区はあらためて大学用地を買収することになったのですが、都市基盤整備公団が取得した1平方メートルあたり13万円の土地を1平方メートルあたり45万円と3倍の高値で買うことになったのです。
 この苦い経験を繰り返さないためにも、公拡法の先買い権を行使できるように東京都も最初から積極的な立場で、つまり都として土地利用の具体策をもって葛飾区との協力・連携に踏み出すべきと考えます。
 例えば、都は3月に「東京都スポーツ推進総合計画」を発表しましたが、「スポーツを身近でできる場の確保」を強調しながら、一方では「スポーツクラスターを核とした地域の活性化」ということで、新たにできる6つの都立スポーツ施設はすべて「臨海地域」にできることになっています。しかし、これではあまりに地域偏在ではないでしょうか。自治体らしくすべての地域にバランスをもって計画的にスポーツ施設を増設すべきではないでしょうか。
 6ヘクタールの森永乳業工場跡地取得をこうした都立スポーツ施設の地域偏在をただす機会として活かすことも考えてしかるべきではないでしょうか。見解を伺います。

和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書

一 公有地の拡大について

A1 都市計画マスタープランなどの上位計画に基づき、道路、公園などを計画的に整備するために必要な土地を確保することは、都市の健全な発展と秩序ある整備の促進に資するものと考えます。

A2 既成市街地における大規模な工場跡地等は、地域のまちづくりを適切に進める上で貴重な土地となり得ると考えます。

A3 当該土地について、葛飾区から具体的な相談があれば、その内容に応じて適切に対応していきます。

A4 スポーツ施設の整備については、平成30年3月策定の「東京都スポーツ推進総合計画」において、政策指針の一つとして、「スポーツを身近でできる場の確保」を掲げています。その中では、2020年以降、新規都立スポーツ施設の整備計画はありませんが、都立大規模スポーツ施設のみならず、区市町村及び企業や学校等のスポーツ施設も有効活用していくことが必要であるとしています。
 このため、スポーツ施設整備費補助制度では、区市町村が整備するスポーツ施設についてスポーツ環境を拡大する工事やバリアフリー工事等(用地取得費は補助対象経費に含まず。)に対して支援を行っています。
 また、スポーツ施設を所有している大学や企業等とは、「TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業」に関する協定を締結し、都民が利用できるスポーツ施設の拡大を図っています。
 これらを含め、既存のスポーツ資源の有効活用について、様々な主体と連携しながら、新たなスポーツ活動の場を確保する取組を進めていきます。

以 上


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